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日米雑誌とPodcast 3行まとめ

Tech News Today / 826 The Promised Fridge / 長いパスワードは意味がない?

今日はFacebookBlackberry、調子が対照的な2つの会社の新サービスについて

以下3行まとめ:
Blackberryは自社のメッセージングサービスを子会社に売却して切り離すことを真剣に検討しているという噂をWall Street Journalが報じた。

  • WhatappやLine、kakaoなどのサービスに比べて既に後発になっていて、過去にはBlackberryのハードにロックインされていたこのサービスを独立させても、いまさら感が否めない。(Tom)

ocl-hashcat-plusという新しいパスワードクラッキングツールを使うと、辞書にあるような言葉を組み合わせる限り、パスワード長と強度はあまり関係がなくなる。

Facebookの新しいサービスは、フォトアルバムを友人とシェアできるという機能で、それを使うと同時に数人が写真をアップでき、同じイベントに参加したような友人が同士が使用することが想定される。

  • このサービスについては、Blackberryと同様に後発ではあるが、意味合いは全く異なり、大きな期待がある。

感想:
メッセージングサービスについては、常に例としてLineがあがってくる。が、世界的にはこのWhatappというアプリが一番の成功例として紹介される。さて、LineがWhatappに勝つには何が必要だろうか?

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Tech News Today / 825 The truth about Marissa Mayer / 肉食系CEOスティーブ・バルマーの去就と草食系CEOマリッサ・メイヤーの秘密

今日はスティーブ・バルマーマリッサ・メイヤー、対照的な2人のCEOについて

以下3行まとめ:
Appleが9月発表が期待されているiPhone 5のCPUについて、既存の32bitのものよりも31%高速な64bitのCPUを用意しているという記事を、Clayton Morrisが関係者筋の話として発表した。

  • このCPUは画像処理に優れているという期待があるが、バッテリーの稼働時間についてが心配になる。(Sarah)
  • Appleは4Sの時でも3Gを搭載しながら常にバッテリー稼働時間のバランスを採ることに注力していたからそこはあまり心配していない。(Tom)

Microsoftのスティーブ・バルマーは、自ら辞意を表明したと見られていたが、実際には本人は新しいデバイスの計画に熱心だったことが明らかになり、どちらかというと続投に反対する投資家集団からの声に押されたボードメンバーに説得された、という見方が正しいようだ。

  • 噂されている次のCEOについては誰がいいだろうか?GoogleのVice PresidentのVic Gundotraや、E-bayのJohn Donahoeなどが噂されているが。(Tom)
  • ビル・ゲイツスティーブ・バルマーが30年に渡って作ってきたカルチャーがあるMicrosoftの次のCEOには、一度はMicrosoftを経験している、スティーブン・シノフスキーなどが良いと思う。(Randall)

Nicholas Carlsonがマリッサ・メイヤーの自伝「マリッサ・メイヤーの真実」という本を書き上げた。その中で印象的なエピソードは:

  • いわゆるギーク的な体質で、機械的、早口が彼女の特徴である
  • 彼女は医者になりたかったが、自分が単に記憶力が良いから勉強ができるが、それでは医者には向かないと別のキャリアを考えた。
  • しかしGoogleのオファーは、メールボックスから削除するつもりが間違って「スペースボタン」を押したことでメールを開いたことが入社のきっかけになった。

感想:
MicrosoftのCEOは誰がやっても難しいと思うが、いずれにせよ、IT業界の中で良い敵役だったスティーブ・バルマーの引退はやや淋しい。そういうわけで、この敵役のポジションを引き継いでくれる人が良い。カール・アイカーンなんかはどうだろう?

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世界でもっとも強力な9のアルゴリズム 11章 まとめ

インターネットの発展は新しいアルゴリズムの発展・進化を促したが、ラップトップコンピュータは、それ自体の発達を除いて、新しいコンピュータ科学の理論を生み出す土壌にはならなかったことからもわかるように、今後のコンピュータ科学に、まだ新しいアルゴリズムの登場の余地があるかどうか、あるとしたらどういったジャンルから現れるかを予測すること難しい問題だ。

この難しい問題に答えるとしたら、以下をあげよう:
・ゼロ知識アルゴリズム
ビザンチンフォールトレランス
・分散ハッシュテーブル
また、新しく登場するアルゴリズムとは別に、MD5のように脆弱性が発見され使用されなくなったアルゴリズムもある。

この本で取りあげるアルゴリズムを選択する時に、「ある程度のコンピュータ科学の知識が必要になるもの」と「日常の言葉で説明可能なもの」の2つのカテゴリにわかれると思ったが、おどろくべきことに、全てが後者の範疇に収まった。しかし、日本語と、日本文学や日本文化が、実際は後者が前者を包含するものであるようにプログラムやアプリケーションそれ自体も、コンピュータ科学に含まれるものであるということを忘れずに、恐れずにそこまで興味を拡げてみてほしい。

感想:
本全体を通じての感想としては、10年前のコンピュータ工学部の卒業者が昔を思い出すのに、調度良いレベルの本だ、ということだ。
ただもう少し、数学とそのトリックについての説明があると、コンピュータ工学の素晴らしさに興味を持つ人が増えると思う。

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世界でもっとも強力な9のアルゴリズム 10章 決定不能性とは何か

現在のソフトウェアは20年くらいまえのソフトウェアとくらべて、クラッシュすること自体は減っており、これは自動テストツール等の発達に依る部分が大きいが、果たして完全なクラッシュ検出プログラムというものを作ることは可能であろうか?
上記の質問に対して、実際には存在しない「入力がクラッシュしないプログラムだった時だけクッシュする」というプログラムを想定することと背理法で証明する。
プログラムの決定不能性や効率性の問題は、単なる思考実験や哲学としてだけではなく、実際のプログラムの限界、というものを知るためにも重要である。

感想:
効率性の部分はP≠NP問題やゲーデル不完全性定理について触れないでは説明できないと思う。

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世界でもっとも強力な9のアルゴリズム 9章 デジタル圧縮

デジタルなものはコピー可能であるが、正規のソフトウェアに必要とされるような、署名はコピー不能であるべきだ。
この矛盾を解決するために、4章で説明された巨大素数による共通鍵暗号というトリックを使用している。
しかしこのトリックを保証するためには、CA(公開鍵証明書認証局)と呼ばれる公開鍵をあづかる組織が必要になり、またそのCA自体の正当性を担保するために、ルート認証局と呼ばれる、VeriSign、GlobalSign、GeoTrustが存在する。

感想:
ルート認証局の役割について、初めて体系的に理解したと思う。

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世界でもっとも強力な9のアルゴリズム 8章 データベース

様々なシステムでの基盤として使用されるデータベースについては、今まで見てきたような冗長性の排除という概念と一旦保存したデータについての整合性を保持するという目的からの一貫性の追求という2つの概念が根幹をなす。
冗長性の排除をするために、Codd博士は、「選択」「結合」「射影」という関係代数の概念を導入することで、リレーショナルデータベースを提唱した。
一貫性を保持するためには、「アトミックなトランザクション」「To-Doリスト」「準備してコミット」というトリックを利用する。

感想:
To-Doリストについては、シーケンシャル書き込み(Redoログ)とランダム書き込み(データファイル)の書き込み速度の違いを説明しないと、このトリックの優れている点は理解できないと思う。
この章については、技術的なポイントより、以下の2つのエピソードが印象に残った。
・911テロの発生時に、1社だけツインタワーの相互にお互いのデータをレプリケーションしていたためにデータが完全に損失した。
・ジム・クレイという、「Transaction Processing: Concepts and Techniques」という本を著したコンピュータ学者は2007年に金門橋から外洋にヨットで進んで行方不明になった。彼の創作のため友人たちはサンフランシスコ周辺の衛星写真をデータベースにアップロードしたが、彼は結局見つかっていない。

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世界でもっとも強力な9のアルゴリズム 7章 データ圧縮

5章で見てきた誤り訂正符号が、冗長性を適切に付与する、ということがテーマだったのに対し、データ圧縮ではいかにして冗長性を取り除くかというのが、テーマになる。データ圧縮の方法はデータロスの有無で大別でき:
・データロスなし
 繰り返し箇所を、繰り返し回数と繰り返し文字の組み合わせで表すことによるデータ量の削減(FAX等に効果的)
 データの出現率に応じて、割り当てる富豪の長短を調整する方法
・データロスあり
 画像であれば2行飛ばしにしたり、音声であれば可聴範囲のみを残す、などいっていのルールでデータを除外する
という方法がある。



感想:
この章がもっとも、アルゴリズムらしさ、があったが、出現率と符号長の長さの積をとって、期待値が最小になる、
といった証明をしないと、数学的なエキサイティングさが実感できない。

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