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日米雑誌とPodcast 3行まとめ

伊藤洋一のRound Up World Now! / G20でのアベノミクスの評価と日米中間層の復活について 2013年2月15日 724回

今週のRound Up World Now!は、G20で取り上げられたアベノミクスに対する評価と、オバマの一般教書演説の内容の中から特に最低賃金の引き上げについて。

以下、3行まとめ:
モスクワで開かれたG20に訪れた麻生副総理に対する面談要請の多さは、日本が置かれている状況に対する注目度の大きさを現している。アメリカが日本の円安に対して否定的ではないことの大きな理由としては、アメリカ自身もドル安で恩恵を受けてきた自覚があることと、地政学的に日本経済がいつまで不景気から抜け出せないことに対する警戒感があげられる。またブラジル政府などの円安に対する強い非難も実際には過去のドル安に対する非難として捉えたほうが理解しやすいが、そのような複雑の思惑なかで、外債購入等の円安誘導とみなされるような政策は取りづらくなってきている。

オバマ大統領は一般教書演説を行ない、その中で中間層の底上げのために、最低賃金を7.25ドルから9ドルへの引き上げを目指すことを表明したが、実際の法整備にはアメリカに工場を戻そうとしていたキャタピラー等の動向とうも踏まえる必要があり、障害は大きい。時を同じくして、安倍首相も経団連に対して景気回復した企業から、賃上げを行うことを要請したが、例えば真っ先に賃上げを表明したローソンの動き一つをとってみても、対象範囲の狭さを考えると、全体的な底上げにはまだまだつながらない。

北朝鮮が核実験を行ったが、アメリカに到達できるミサイルの開発が進み、また小型化の成功による中国の警戒心が高まっていくことから、北朝鮮はますます孤立化を深め、「コリジョン・コース」にのって行く可能性が高い。

感想:
マーケットを長年見てきている伊藤さんだけあって、通貨競争に対する解説は簡潔でわかりやすい。通貨ほど各国の思惑が入り交じり、それが結果に現れる事象も無いため、これからも注視したい。

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