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日米雑誌とPodcast 3行まとめ

Economist Aug 3rd 2013 / 宮崎駿の新作・「風立ちぬ」評論 (Above the fray / Hayao Miyazaki's latest film)

今週のエコノミストは石油の消費量は今後下がっていき、石油自体が過去のエネルギーになる、という特集。まだ詳しく読んでいないが、原子力発電がどのように扱われているか興味深い。
日本についての記事は、この宮崎駿の「風立ちぬ」についてと、消費税増税について。

以下3行まとめ:
もののけ姫(Princess Mononoke)」や「千と千尋の神隠し(Spirited Away)」といった子供向けのファンタジー映画に半生を費やしてきた宮崎駿が、ポール・ヴァレリーの「風立ちぬ」(この詩のなかで風は災厄の前触れである)というタイトルを冠する、実在の第二次世界大戦中の戦闘機の設計技師を主人公に映画を撮った。
戦後の平和教育の中で育った宮崎駿は、過去の作品の中で主人公たちに自然破壊や物質主義に対しての批判をさせてきたが、今回の主人公は、真珠湾攻撃や神風特攻隊といった悲劇を生み出したゼロ戦を設計したにもかかわらず、美化されていることについて、日本を戦争に導いた過去の政治家を美化する発言が繰り返されることと同一視され、批判が起こっている。
そういった批判に対して宮崎駿は、「そもそも戦争に突入したことが過ちであり、そのことで二郎を非難することは間違っている」と反論しており、実際にこの映画自体は、父親がゼロ戦のためのゴムをつくる工場長だった彼の「個人的な体験が結実した映画」だと感じられる。

感想:
Economistは結構、日本文化を取り上げる事が多く、村上春樹村上隆に対しても、日本で見かける評論とは別の観点をもたらすことが多いので、どのように評論するのか興味があったが、短い中でよくまとまった評論だった。とはいえ、もう少し中身に対してのコメントが欲しかった。宮崎駿の安倍首相についてのコメントの記事とか、いるか?という感じ。
私も宮崎駿の言う通り、二郎がゼロ戦の設計に携わったことで責めることは的外れだとおもう。
それは今のアラブの諸問題について、オスマン・トルコ帝国の崩壊に一役買ったアラビアのロレンスを責めるようなのだと思う。

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